「浮造り」と書いて「うづくり」と読みます。
季節のある地域で育つ樹木は、春には幹の成長が盛んで、夏にはゆっくりになり、秋から冬にかけて成長が止まります。1年の成長の過程で1つの成長輪が形成され、年輪と呼ばれています。年輪の数を数えると、その樹木の樹齢が解かるというわけです。
春期に成長する部分を「春材」、夏以降に成長する部分を「秋材」と呼びます。「春材」は白く柔らかく、「秋材」は色が濃く、より硬い部分です。杉を床に貼り、長い年月に渡ってその上を素足で歩くと、白く柔らかい「春材」がすり減り、より硬い「秋材」の部分だけが、浮き上がったようになります。このように、杉板の表面が、凸凹になった状態を、浮造りと言います。
縁側に杉板が貼ってある神社やお寺は、全国各地に数多くあります。神社やお寺を見学した時に、一度は浮造りの床を歩いたことがあるのではないでしょうか。
その時の足の裏の感覚を、思いだしてみてください。床の凹凸の感じはいかがだったでしょうか。いつもとは違う歩行感に、新鮮さを覚えた方もいらっしゃるでしょう。なんて歩き心地の良い床なんだろう、と感じることができた方も、いらっしゃるのではないでしょうか。
近年、製材工場の加工技術が向上し、杉床材の浮造り加工ができるようになりました。「森呼吸の家」の床は、浮造り加工をした杉材で仕上げています。新しい家が完成し、お引越しをしたその日から、浮造りの床で過すことができるのです。
浮造りの杉床は、丁度良い凸凹をしているので、足裏に適度な刺激を受け、毎日を心地好く過せます。そして、お子様からお年寄りまで、歩行が本当に楽です。また、表面に塗装をしなので、冬は暖かく、夏はひんやりとします。「森呼吸の家」にお住まいのみなさんは、毎日を素足で過される方がほとんどです。真冬でも靴下を履かずに、素足で過されるご家族も珍しくありません。
浮造りの床を塗装しない訳
浮造りの杉床の表面に塗装をしません。塗装をすると調湿作用が働かなくなるからです。杉の床材には、梅雨時に吸湿し、乾季に放湿する自然の調湿機能が備わっています。インフルエンザを予防したり、女性の皮膚を守る役割も担っているのです。
足裏には、体じゅうのツボが集まっています。毎日の暮らしのなかで、浮造りの床を歩くだけで、自然と足裏のツボが刺激されます。足裏のツボの刺激は、身体のバランスを改善し、肩こりや腰痛、偏頭痛などの予防にも効果があります。
森から切り出され、製材をして床材になった杉は、それでもまだ生き続けています。細胞内腔と呼ばれる空隙に、梅雨時の水分を吸湿し、秋口の乾燥期に保水していた水分を放湿してくれます。季節の湿度変化に対応しているのです。杉の湿度調節は、風邪の予防になっています。
冬、素足でもOK!素足での暮らしが楽しめるので、自己治癒力も高める効果もあります。また、可視光線を吸収する機能があるので、目に届く強い日差しを、やわらかい光にしてくれるため、眼精疲労を防いでくれます。