「レンゲ」とカタカナで書くと春の風物詩である蓮華草(れんげそう)か冬のなべ料理で使われる大き目のスプーンのことを指すことが多いでしょう。
でも今回は日本全国の池や沼に広く分布しているハスや睡蓮(すいれん)のこととして話を進めます。
さらに近年ではハスと睡蓮は別種とされていますが、仏教では区別せずに蓮華と呼んでいます。
解散した人気グループ「スマップ」の代表曲『世界に一つだけの花』はお浄土に咲く蓮華の花がそれぞれの色に輝いているという仏説阿弥陀(あみだ)経の一説から生まれたそうです。
この曲を作った槇原敬之さんは99年3月、薬物違反で執行猶予の有罪判決を受けました。
その後、お寺で謹慎していた槇原さんに住職が阿弥陀経の解説をし、「お浄土ではさまざまな花が咲いているが、それぞれが、それぞれの個性の上に無上の尊厳を認め合い存在している」という言葉を聞いた槇原さんの頭に浮かんだのが、『世界に一つだけの花』の歌詞だったということです。
あの国民的名曲の誕生にお経が関わっていたのですね。
また、仏像を安置する台・蓮華座は、その名の通り蓮華を題材としています。
花の下にある泥を「迷いの世界」、泥に汚れず咲く花を「悟りの世界」として表現。
仏像が俗世にそまらず、悟りを開いた状態であることを意味します。
さらに、お墓に設置された蓮華座は、亡くなった人が蓮華の咲く浄土へ行ったことを意味するほか、「無事に浄土へ着いてほしい」といった遺族の思いが込められています。
そして、社会現象にもなったアニメ「鬼滅の刃」の主題歌『紅蓮華(ぐれんげ)』は、「水面に咲く赤い蓮の花」と「寒さでめくれた皮膚で咲く紅蓮地獄」という2つの意味があるそうです。
仏の救済を示す紅蓮華と、八寒地獄の7番目「鉢特摩(はどま)」の別称で、ここに落ちた者は寒さで皮膚がやぶれて血が流れて、紅色の蓮の花のようになるという紅蓮華。
つまり、敗北を知り、痛みを知ったからこそ、強くなれる理由を知ることができ、それを力に変えて前に向かって進むことができるということなのでしょう。
ここでも(紅)蓮華が象徴的に描かれています。
参考 『大谷大学』HP、『日刊大衆』HP、『アニタイプ!』HP、『FRAMU.Media』HPほか
○本照寺住職 木村 映之 住所 佐賀県鳥栖市本町1-886 電話 0942-82-4461
○浄土真宗東本願寺派 瑞雲山来迎院() 本照寺(ほんしょうじ)
※どなたでも参加できる行事… ボイストレーニング教室、ヨガ教室、坐禅会、寺子屋(小学生)、オカリナを楽しむ会、木曜会(いすヨガ・法話・茶話会)
※新納骨堂…令和3年3月8日お参り開始。加入者募集中。