暮らしの中の仏教まめ知識  第24回 『舎利(しゃり)』

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暮らしの中の仏教まめ知識 第24回 『舎利(しゃり)』

2022年10月30日
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暮らしの中の仏教まめ知識

寿司に口うるさい人の「ここのシャリは何々産だからネタもいきる」というセリフを耳にすることがあります。
また、炊きたての銀色に輝く白米のご飯を銀シャリと言ったりもします。

このシャリというのは「舎利」と書き、元々は仏教用語で、火葬にされたお釈迦様の骨のこと「仏舎利(ぶっしゃり)」をさします。

白飯の色味や形が火葬したあとに残る遺骨(または分割されたお釈迦様の骨)に似ていたため、僧侶の間でご飯のことを「シャリ」と呼ぶようになったとされます。

また、古代インドの言葉で「米」を意味する「sari(シャリ)」を語源とするという説や、「酢飯がシャリシャリしているから」という説もあります。

 シャリという言葉が使われた時期は明確には分かっていません。
しかし、真言宗の開祖として知られている空海(774835年) は、『秘蔵記』の中で「天竺呼米粒為舎利。仏舎利亦似米粒。是故曰舎利。」と記しています。
これは簡単に現代語訳すると「天竺(インドのこと)では米粒のことをシャリと呼ぶ」という意味になります。
そのため、少なくとも89世紀頃にはシャリという言葉が使われていたと考えられます。

また、仏舎利には土にかえり、めぐりめぐって穀物(五穀)となり、人を助けるという、輪廻(りんね)の教えがあります。

同じように、主食であるお米も尊いものとする思いから、シャリと呼ぶようになったのかもしれませんね。 

いよいよ新米の季節です。銀シャリのおいしさを改めて味わうとともに、その恵みへの感謝も忘れないようにしたいものです。

参考 『食育大辞典』HP、『日蓮宗』HP、『語源由来辞典』HP、『大谷大学』HP、『オリーブオイルをひとまわし』HP

照寺住職 木村映之 住所 佐賀県鳥栖市本町1886 電話 0942824461
○浄土真宗東本願寺派 瑞雲山来迎院 本照寺

※どなたでも参加できる行事… ボイストレーニング教室、ヨガ教室、坐禅会、
               寺子屋(小学生)、オカリナを楽しむ会、木曜会(いすヨガ・法話・茶話会)
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