「足を洗う」という表現は、「彼はダラダラした生活から足を洗って真面目に働きはじめた」のように、
悪いことや好ましくないことをやめる、身を引く際に使われます。
実は、この言葉の由来を調べていくと仏教にたどり着くのです。
由来はインド時代まで遡ります。当時の修行僧は裸足で生活し、托鉢(たくはつ)などの為に歩いていました。
裸足や草鞋で托鉢などの修行からお寺に帰った僧侶は、泥足を洗い清め、俗世の煩悩を断ち切り、
再びお寺に入り修行にでいました
一般世間は、煩悩のある迷いの世界
お寺は、安心のある救いの世界
足を洗うことで、身心を洗い清め、新たな心で安心を求める。
僧が足を洗う様子と、寺の内と外の世界の違いという仏教の思想がひとつになり、
「足を洗う」という表現が悪いことをやめる意味で使われるようになりました。
実はキリスト教にも「足を洗う」という表現があります。
イエス・キリストは、謙遜と愛情を示すため自ら弟子たちの足をひとりずつ洗っていったと伝えられています。
このイエスの行動が「足を洗う」の語源ではないかと主張する人もいますが、
謙遜と愛情は日本語の「足を洗う」の意味と一致しません。
そのため、あまり有力な説ではないともいわれています。
ちなみに、「足を洗う」と同じ意味の英語の表現として「wash someone’s hands of~」があり、
直訳すると「~から手を洗う」という意味になります。
英語の言い回しでは、「足」ではなく「手」を洗うという表現になるのがおもしろいですね。
参考 BuzzTrend HP、澤龍山少林寺HP、世田谷自然食品HP、chewy HP
○本照寺住職 木村 映之 住所 佐賀県鳥栖市本町1-886 電話 0942-82-4461
○浄土真宗東本願寺派 瑞雲山来迎院 本照寺
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